自立とは何か。映画「こんな夜更けにバナナかよ」からの学び

2019年1月14日 2 投稿者: JUNJUN

映画「こんな夜更けにバナナかよ」公式サイトはこちら

この映画は、ざっくり言うと
大泉洋さん演じる鹿野靖明さんという実在した人物を描いた作品です。

鹿野さんは筋ジストロフィーという病気で、
動けない体でありながら、自立した生活を実現させました。

筋ジストロフィーとは:筋ジストロフィー協会HP

もちろんその生活には
24時間ボランティアによる介助が必要です。


そのボランティアたちと鹿野さんとの
人間模様だったり、

鹿野さん自身の信念、
ボランティアの葛藤などを


おもしろおかしく、時に泣かせながら
描いています。


タイトルのバナナ事件は、

鹿野さんが真夜中に

「バナナが食べたくなった。買ってきて」

とボランティアに言って買って来させた事件から
きています。


要するに、鹿野さんは
わがままで、
言いたいことをズバズバ言う
キャラクターなんです。

わがままとは何か。

障がい者とは、健常者とは何か。

ボランティアって何か。

鹿野さんってどんな人だったのか。

これらを知りたい方には、

原作本がおすすめです。

こんな夜更けにバナナかよ
(渡辺一史著・文春文庫)


映画では、鹿野さんは

ものすごく意志が強くて
自分の考えをしっかり持っていて
自分に自信がある人

という印象を受けます。

しかし、実際の鹿野さんは

とても繊細で、傷つきやすく、
寂しがりやで弱い人でもある

ということがわかりました。

ただ、

「生きる」

ということについては

持って生まれた強い信念があったように思います。

実は、鹿野さんには障害を持った妹さんがいます。
(映画では描かれていません)


つまり、兄弟ふたりとも障害者なわけです。

それを悲観した母親が
心中しようとしたところ、


鹿野さんは、

「僕は絶対に死なない!」

と言ったそうです。

その強い信念が、

何度となく訪れた生命の危機も

はねのけたのではないかと思います。

鹿野さんは、人工呼吸器をつけた状態で
自宅で暮らしていました。


当時は一般的に、
人工呼吸器をつけた段階で

「病院から出られない」

時代だったのだそうです。

それでも、鹿野さんは、
「家に帰る」と言い続け、実現させました。

「障害者でも自立して生きることができる」

を証明することが鹿野さんの使命だったようです。

その、「自立」とは何なのでしょうか。

自立するためには、人に遠慮していられない。

自分を主張する必要がある。
時には、わがままになる必要がある。

「自立」って一人で生きていくことではない。

自分の人生を自分らしく生きることである。

そもそも人間は一人で生きていくことはできない。

自分らしく生きるために、
他者と足りないところを補いながら
生きていくものなのだ。



鹿野さんのわがままは、

鹿野さんの人生のミッション=「自立」に
つながっていたので、

多くのボランティアが
彼についてきたのかもしれません。

鹿野さんは、2002年に42歳で亡くなっています。

祈祷会や葬儀には約300名もの方々が
参列されたそうです。

「自立」とは、

自分をオープンにし、
多くの人と関わることであることを
証明してくれていますね。