【オランダ教育現場視察レポ②】アムステルダムの小学校(7年生のクラス)

>>オランダの教育についての基礎知識
2015年9月にはじめていったオランダ続き。
その時の視察の様子をまとめていきます♪
アムステルダムの小学校。
アムステルダムでは平均的なサイズの学校。
生徒数:260名
芸術に力をいれている学校で、
「子どもの個性に色をつける!」というのがスローガンだと
校長先生が教えてくれました。
教育スタイルは、オランダの伝統的なスタイルです。
この学校の7年生(日本の5年生)のクラスを見せて頂きました。
この時間は、算数の時間。
「割り算」の授業。
どんな授業か、わくわくです。
電子黒板!
この学校は、日本のスタイルと近くて、
1クラス25人くらい。
担任の先生と、アシスタントティーチャーが1人はいって、二人で見ています。
アシスタントティーチャーは、教員養成大学の学生さんだそうです。
先生:「ここに315個の箱があります。
1回で13個運べる台車があります。
何回で全ての箱を運ぶことができますか?」
「色んなやり方があるけれど、まずどのやり方でやる?」
・・・色んなやり方?ある??
そこに??が飛んだあなたの頭には、ひっ算が浮かんだはず(笑)
この先生のひと言に、実は大パニックになった日本の私たち。
「色んなやり方」がわからない!!!
先生:「まずは、簡単な数にしてみよう。簡単な数にするにはどんな方法がある?」
先生:「大きな数から、小さな数にしていくよ。まずは10を取っていこう。」
そういうと、315から、ひたすら「10」がひかれていきました。
・・・何をやっているんだろう!?
ますますパニックになり。
「315は10と5が集まった数だったね。
わかった?」
生徒:「わかった!」
・・・何がわかったの?
・・・答えは?
すっかり、頭が???
この教え方にも驚いたけれど、
実は、この時間、1クラスの中で、
3つのレベルわけされた、
習得度別学習が行われていました。
座っているグループは、同じ学習レベルの子どもになっています。
先生のレクチャーがわかった!グループから、
自分が持っているワークブックに取り組んでいきます。
先生は、わからない!というグループに向けて、
同じ問題を、違う考え方で解いていく方法をもう一度やりました。
その後、わかった!というグループは、自分たちのワークブックへ。
最後まで「わからない!」という子どもたちがいるグループに、
先生は、最後までレクチャーしながら、理解度をあげていました。
最後の最後までみてわかったことですが、
一番最後まで先生が見ていた子どもたちのワークブックは、
大きな数の足し算や引き算がメインでした。
クラスの子どもたち、全員がわかるように、
「色んなやり方があるけれど、どの方法でやる?」は、
先生が選んでいたんだろうな。
そんなことを感じた授業でした。
「私は、○○ってやったよ、どうやってやったの?」
「私は、△△!あれ?違うね?」
グループ内で、子どもたちがお互いに互いに学びあう。
そんな光景がたくさんありました。
このクラスの掲示物。
プレゼン資料みたい!!
高学年なので、
イラストや色遣いは落ち着いていますが。
やっぱり、目で見てわかる。
概念、物事の関連性、全体の繋がりを一緒にとらえる。
そんなことを感じる、掲示物の数々でした。
このクラスの視察で、残ったことはたくさんありますが。
一番は、これでしょうか。
「みんなとっても集中しているね」
「今日は、よく進められてるよ」
「いい調子だね!」
「よく協力し合えてるよ」
先生が、何度もクラス全体に向かって、声をかけるんです。
承認や励ましを!
できていることを、何度も伝える。
教室の空気がね、リラックスして、でも集中している。
素晴らしい空気。
決して、怒鳴ったり、できていないことを指摘したり、
そんなコミュニケーションが、本当に無いんですよ。
子どもたちは、集中しながら、自分で考えて、学ぶ。
自分が「できる」をただ積み重ねていける学習。
自分の「できる」を信じ、認めてくれる大人がいる環境。
自分の「できる」を仲間と分かち合うことで、育つ学び。
オランダの教育環境、まだまだ探っていきます。
レポは続く・・・。