ゆうちゃんの住んでいる土地柄、
家からの移動手段は、徒歩・電車・自転車が多い。
徒歩1分と10分の場所にスーパーがあり、
電車で1駅行くと巨大ショッピングモールのお出まし。
そしてその1駅分は自転車で20分と、運動したい時にはもってこいの距離感である。
便利だ。
本当に便利。
便利すぎるくらいである。
ある時は自転車での移動だった。
徒歩よりももちろん速い自転車だが、何かと不便なのだ。
歩道を通行したいが、
それほど広く道が作られていない。
そのため、歩行者がいたら自転車では通りにくい。
かといって車道を走ると、すぐ隣を車がシャーーーーッと通り過ぎていくと、とっても怖い。
でもこの怖さは車を運転してらっしゃる方も同じだ。きっと「なんでこんな危険な道をわざわざ通るんだ?」となっているはず。
と、なると、
歩道は歩行者の道。
車道は車の道。
自転車は・・・何の道?
近頃は自転車用の道もできてきてはいるが、それでも少ない。
自転車って、何かと不便だわ。自転車も、颯爽とは漕ぐことのできない現実が、ここにはある。
とまあ愚痴っぽいことは置いておき(笑)、
ゆうちゃんの自転車移動が始まった。
家を出たところは、人通りも多いし、車通りもそこそこ多いし。
自転車の走行はなかなか注意のいる通りだ。
いろいろな風景に目をキョロキョロ。
後ろから車は来ていないかな・・・。
そんな風にいつもながら安全走行していると、信号に引っかかった。
でも、「引っかかった」わりに、ゆうちゃんの気持ちは穏やかであるのです。
つかの間の休憩だ。
ふぅ〜〜。
なんせ目の前の信号が「赤」なのだから、止まるしかない。それしかやることがない。
でも、なんだろう、この休憩のありがたさは。
信号に至るまで道では注意を払い続け、それが一区切りの、つかの間の時間だ。ありがたや。
と、ふと周りを見ると、
ゆうちゃんの他にも”休憩仲間”がポツポツと増えてきた。
幼稚園のお迎え帰りの親子。
お散歩中と見受けられる、手ぶらのおばあちゃん。
買い物帰りでしょう、パンパンな荷物を持った女の人。
目の前の信号で、みんなが止まっている。
小さい子からおばあちゃんまで、徒歩の人も自転車に乗っている人も、車に乗っている人も。
みんな。
なんだか、笑みがこぼれてしまいそうになった。
みんな、信号待ちをしている。
みんな、同じ方向に行こうとしている。
みんな、仲間ですな。
ここにいる人たちの「共通な何か」、それは、「信号を待っていること」。
なんだろう、ゆうちゃんに芽生えているこの気持ち、これは”仲間意識”というやつなのか?
でも、みんなで待っていると、なんだか平和な気分だね。
そうやって平和な時間を噛み締めていると、「青」になった。
さ!!!!行くかっ!!!!
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