西加奈子さんの『i』を読みました。
大量に借りている西さんの本たちの中から、「次は何読も〜♪」と
どれにしようかなで選ばれし、この御本。
決め手は「大きい」から。
借りている本の中で少数の単行本のハードカバーものです。
はい、ただそれだけです。
ずっと西さんの本を小さな文庫本で読んでいました。小さなステップアップを重ね、ようやく西さんの「大きな本」を読みたいと思ったのです。
とここで、
大きな本を選んだという私の選択に、なんだか感慨深くなってしまいました。
もちろん、今まで読んだ文庫本の西さんの作品たちも、面白くて笑えて泣けて考えさせられ・・・いわゆる「感動」がたくさん詰まった物語でした。
でも、そんな中でも、「次何読もうかな♪」と選ぶのは文庫本のサイズ。「大きな本」を選ぶのが、気がひけるというか、おこがましいというか、まだそのサイズに詰まっている感動を受け止めきれないんじゃないか、なんて思いがあったのかもしれません。
ただ単に、「そのサイズの分量を読むのが、面倒だ」とあっさりとした理由なのかもしれません。でも、無意識と思っていた選ぶという私の行動に、どんな意識があったのか。それを改めて考えてみると、そんなふわっとした考えがあったように思うのです。
と、「大きな本」を選んだきっかけ話をさておいて。
『i』の感想をお話したいと思います^^
この世界にアイは存在しません。
この言葉から、ストーリーが始まります。主人公は「ワイルド曽田アイ」。
シリア生まれ。日本人のお母さんとアメリカ人のお父さんとの養子として育つ。小さな頃から、この世界には恵まれない人たちもいるんだ、と両親の教えを受けてきた。
アイは、自分の中で自分のエネルギーをグルングルン回しているような子だった。
つまり、思うことがあってもすぐには口に出さず、自分の中で噛み砕き、疑問に思うことがあっても自分の中で答えを見つけようとしていた。
そんなアイの小さな頃から大人になり、「自分」を見つけるまでのお話です。
西さんの物語は、相変わらず「ジェットコースター」です。
読み始めは、主人公の思考が自分の頭に張り付くくらい、静かに夢中になっていく。
それから起こる、あんなことやこんなこと。
ちょっと事件的な出来事や、スドーンと落ちるような感情。
そこから急カーブの連続で徐々にスピードが増していく。とめどなく。
最速になり進んでいくと、目の前は空。線路は上に向かっているが、その先がない。
めっちゃ速いまま、どこかへ行っちゃった〜〜!
みたいな感じです。笑
読み終わると、爽快な気持ちになります。
そして、今回読んだ『i』も、同じような気持ちになりました。
この世界にアイは、
この言葉から外れた時に感じる、確かなもの。
私はここにいる。
揺るぎない、自分だけが感じたもの。
自分は、今、ここに、存在している。
『i』を読んで、
「アイ」を経験して、
「私」を感じることができたように思います。
さ、今日は何をしようかな♪♪
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