そういえば、歯医者に行くのが楽しみだった。
自転車をぶっ飛ばして漕いで、漕いで、漕ぎまくって、ようやく着いた歯医者さん。予約の時間ぴったりもしくは3分ほど遅れての到着。もうこれは、私にとって「達成感」以外の何者でもない。だって着いたんだから。漕いで漕いでようやく着いた、この歯医者さん。とっても嬉しいんです。だから、「遅刻」にはしないでおこうと思うのです。笑
さて、無事の到着を経て、順番を待つ。この時間も私にとって歯医者さんを満喫する大事な時間。その歯医者さんに置いてある雑誌などの読み物たち。普段の私は雑誌を買って読まないし、本屋で立ち読みもしない。買って読むほど、雑誌の情報を欲しいと思わないし、立ち読みは大の苦手。雑誌を両手で広げながらページをめくる行為を、私の手や腕が苦手としているのだ。だから、雑誌を立ち読みする人たちって器用だなあって、実は思っています。そんな私にとって、空白の時間に座って雑誌が読める。しかも買わないで。しかも膝の上に広げて読める。これほど雑誌を読みやすい環境がありますでしょうか?だから私は、歯医者さんでの待ち時間が、好きだ。
とは言っても、最初に言ったように私はぴったり もしくは ちょい遅刻で到着するので、言ってもそんなに待ち時間はない。あったとしてもその時間の量でいうと、雑誌を選び、席に戻り、ページをペラペラペラとめくり、「ヘェ〜」と思っていると呼ばれる。あ、もうちょっと読みたかったな。そう思うので、次に歯医者さんに来る時も私の楽しみになるのだ。
そしていよいよ診察へ。
「先生が来るまで少々お待ちください。」この時間がとってもワクワクする。何がワクワクするって、別に診察自体がワクワクするわけはなく、先生に会えるからというわけでもない。私がワクワクする理由。それは、普段座ることのない大きな特別仕様の椅子に座り、目の前にはお口をクチュクチュするスペースがあり、バイキンマンのぬいぐるみが飾られている。この光景を見ること、このスペースに自分一人が座っていることがワクワクなのだ。ここに、いる。座っている。見ている。ワクワクしちゃう。
そして先生が来て「お待たせしました〜」と言われるが、いえいえ、全然待ってませんよ〜^^。お口をこれでもかと開け、チクチクしながらも脱力。血の味を感じながらお口をクチュクチュしてフィニッシュ。待合室に戻り「〇〇さん」と呼ばれ会計をして自転車の元へ。
そうか、私は歯医者さんが好きなんじゃないんだな。雑誌が読めたり、「〇〇さん」って自分の順番が来たり、「ここでお待ちください」と言われたり、、、そういったことや時間が好きなわけで、「私の歯にされること」が好きなんじゃない。
私が好きなのは、自分がその歯医者さんで存在していること。
「存在していること」が好きなんだ、きっと。
車から見える景色の中にある町のお医者さん。その名も「△△耳鼻科」。
…あれ?私、なんで歯医者さんの光景が浮かんでたんだろ?
こうやって、見えているモノと頭の中にあるモノ。違うモノなのに自分の認識では同じモノってこと、ありませんか?
ふと我にかえると「…あれ?」って、ねぇ??、、、ないか。笑
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